第三世界
- 絵空事
- Oct 12, 2018
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Updated: Oct 1, 2020
世界を経済的な区分で見ると東南アジアは第三世界に属す。
と真面目な話とは別でバンコクで噂されてそれを耳にした事を元に自分自身が観察をした事を書く。

第三世界、つまり発展途上国。
これについては一度書いた事があるが、今回はまた別の視点でそれを書く。
発展途上と言われる訳のひとつは交通整備が上げられる。
バンコクは今年から大量に電車の路線を増やす工事を行っている。工期は3年を目処にほぼ全ての線の開通を目指している。路線によっては数年前から工事をしているがまだ終わっていない。(2018年現在)
10年以上前だがタイ初の地下鉄の工事の計画、工事自体随分遅れていたものだ。

現状ある線は国鉄を除いてBTS、MRT(地下鉄)とエアポートリンク(スワンナプーム空港と都心を結ぶ線)の3つである。現在の工事は10の路線を増やすための工事である。場所によっては地下鉄であり、場所によっては高架鉄道となる。
2本以上の線が集まる場所の工事と言ったらそれはそれはもう悲惨である。今まであった6から4車線が工事の為に半分以上に減らされている。大型重機が入り工事をしている場合は一車線だけの所も時間帯、日によってはある。
世界一の渋滞都市と言われているバンコクなので車を運転する人にしてみれば地獄である。

都市の中心部は在来線があるので工事の影響は殆んど受けないが、中心地から離れた場所に工事が集中している。数年の我慢で電車が開通して便利になると前向きな人ももちろんいるが、現実的というか悲観的な人も対照的にいる。
まず、なぜバンコク首都圏住人を渋滞で苦しめてまで一気に工事を推し進めているか、という政策に対する疑問を持っている人が沢山いる。
人によっては1年に3路線などバンコクの住人に負担を欠けない方法をとらないのか?など色々と疑問の声が上がっていた。
その答えはあくまで実しやかに囁かれている内容であり、事実は誰にもわからない『噂』である。

現在の政府が今年一杯で政権を譲る事になっているので出来る限りの都市計画を現政権の内に推し進めてしまおうとしている。ぱっと見はお国の為、バンコク首都圏住人の生活向上の為という素晴らしい計画である。だが、実際その裏に隠れているのはゼネコン汚職である。

来年政権を譲っても都市計画を立ち上げ管理しているのは現政権であるため、計画を立ち上げ大手ゼネコンを動かした時点ですでに大いに潤っている事となる。
こういった大規模な都市計画工事の場合は手抜き工事は出来ないがどこかでうまい事して政府が潤っている。という『噂』である。
ここからは自分自身が実際目にしている光景を文章にする。
電車が走る高架建設の工事は本当にしっかりしたクレーンなど使って建設しているので安心はしている。ただ、都市部からドンムアンへ行く高架工事では大型クレーンが2回か3回落下する事故が起きている。つまり重機はしっかりしていても、それを管理、設置する人の質が怪しいのである。

または、初期工事で道路閉鎖、掘削など重機をみても日本語で○○建設と書いている中古のショベルカーで手入れが行き届いていない感じである。工事に携わっている人達もタイ近隣諸国から出稼ぎの人達で工事に関わる為の服装、靴ではない人達が従事している。重機も重機だし、工事をしている人達は玄人とは呼べる人達という見た目ではないので、自分の様な素人が見ても工事が明らかに遅い。
バンコクのBTSや地下鉄に乗ったことがある人は感じている事だと思うが切符を買うのに一苦労する。東アジアやヨーロッパでは何十年も前になくなっているであろう機械や、両替窓口がある。
こういったところでも大手機器販売会社との何かがあると勝手に思っている。機械自体が余りにも時代遅れで不便にもほどがあると感じる。
自動改札機の反応も遅いので、そこでまた人の渋滞が起きるのが大きな駅の常でもある。

建設中の一部路線ではモノレール。モノレールと聞くと少し古風だったり少数派な感じである。カーブがある訳でもない路線だし、平地なので坂がある訳でもない。恐らく道路の幅が小さいのでモノレールになったのかと思う。聞いた話では日本からの中古のモノレールを使うらしい(噂)。

バンコクのお隣のノンタブリー県とバンコクの地下鉄を繋ぐ路線(紫線)が去年オープンしました。ノンタブリー県は見た目と感じとしてバンコクよりも警察などの取り締まりや、県の決まりがしっかりしているという印象だ。この路線は日本から新車を輸入してきている。
余り注目していなかったが、2年弱で着工、工事完了をしていた、と聞いた事がある。
この紫線はタイ初の都心部から郊外に延びる高架の沿線で、渋滞回避となるので利用数が期待されたが、意外とまだまだ人がまばらである。運賃がまだまだ高いと感じる人が多いのが現実である。
もともとバスで通勤、自身のバイク、車で通勤の方が金銭的には割が合うからである。渋滞を避けたいのはやまやまだが、お金の問題は大問題だ。
これから出来る新路線でも同じ事である。運賃を見直さない限り最終的には皆『慣れ親しんだ』渋滞の我慢の毎日の暮らしとなるであろうと考えられる。
少し話はそれて、バンコクに旅行をした事がある人は感じていると思うが、幹線道路であっても道路の質、歩道が凸凹なのが明らかである。上記のように工事に携わる人が明らかに素人だったり、重機が重機ではない事が多いからである。念押しするが、自分で見えている範囲の事である。

これはまた例の如く『噂』であるが、毎年の様に道路工事は整備の為に行われている。それからその為の予算も膨大にあるのであるが、実際の工事をみるとその予算から到底程遠い内容の工事であるので、明らかにお金が消えているという解釈になる。
歩道に敷き詰めてあるブロックも早ければ毎年、または2年に1度は新しいブロックを作り敷き直しをしている。通常に考えれば毎年お金を使って、手間も掛けてしかもその周辺の住人に迷惑を掛けてまでする事ではないので、長年耐えうる質で工事をすればいいと考えるのが常である。

が、しかし工事があるという事で税金からお金を引き出すことが出来る為、毎年の様に工事が出来るようにしておかないといけない。それから前年度予算より少ない金額の場合は翌年の予算から削られてしまうので、とにかく予算通りの金額を使うようにする、という制度なのだ。
付加価値税は7パーセント、収入税の一部は30パーセントと税金はかなりあるはずだが、使われるべき所に使われておらずお金はどこかへ消えてしまい、今のタイという国がある。
という『都市伝説』の話である。

10本の路線工事を一気に出来る経済力を持っている都市であるバンコクは果たして本当に第三世界の一都市であるだろうか?
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