違いの面白さ
- 絵空事
- Jan 24, 2019
- 5 min read
文化の違いといっても、その人個人の文化背景、性格の違いで言葉の意味、捉え方が変わる。同じ言語を話していても、受け答えや、言葉の意味がそれぞれ微妙に違うことがある。

今回はそんな勘違いしやすい、理解が少し難しいタイ語表現について。
もともとタイ語の『サワッディー』自体が勘違いしやすいかも知れない?
ハワイの『アロハー』と同じ使われ方だからだ。出会った時もサワッディーで別れの時もサワッディーなので、え?もう挨拶したじゃないか?なんて事があるかも知れない。
この『サワッディー』は近代になってから使われ出したものであり、もともと挨拶として使われていたのは『もうご飯食べたの?』か『どこ行って来たの?』が中心であった。昔の村文化であり、会うのは同じ村の中の人達であるが為こういう挨拶になっていたのだと思う。

現代でも友人同士の会話は上記2つの質問から始まるのが殆んどである。友人同士の会話でサワッディーと始まる方が逆に珍しいので、まだまだ新しい文化である証拠だ。
相手が食事をしたかどうかは差ほど大切ではないが、相手の事を気にかけるという気持ちの表現になっている。
『ちょっと待って(ペップディヤオ)』
本当に『ちょっと』の場合もあるが、10分もあれば30分もある。
なのでこの言葉を言われた場合は相手の性格を知っている必要がある。
のんびりさんであれは必然的に長くなるだろう。
レストランや商売で言われる『ちょっと』は本当にちょっとではないと行けないので5分から10分で考えていればいいかも知れない。
『余り辛くないで(マイアオぺっマーク)』
これは有名かも知れない。
料理の注文の際に辛くしないで、と頼んで出てきたものが受け取り手には辛かった。
『暫く(サックパック)』
何時から来てるの?と聞くと『来てから暫くたったね』返事。
何時に帰る?と聞くと『あと暫くしたら』と返ってくる。
はっきりと正確な時間を言う人は少ない。
なので何時?と正確な時間を追及すると逆になんで細かい事言ってるなーぁなんて思われる事もあるかも知れない。
または次に大事な用事があって、それに間に合わないと行けないので帰る時間が知りたい、ときちんと事情を話せば問題にならない。
『郊外・他県』
年末年始どこに遊びに行ってきたの?と聞くと郊外(他県)と返ってくる。
どこの出身?と聞くと他県と返ってくる。
話し下手なのかは分からないが、こういう風に答える人が多い。この文化背景を知らない人がこういう答えをもらった場合、実は話したくないのかな?と勘違いしてしまうかも知れない。
(例)A 連休どこに遊びに行ってきたの?
B チェンマイ
A えーいいなぁ 涼しかったでしょ?
と会話がスムーズに弾みやすくなると個人的な意見だがそう思っている。そんななかただ『県外』と言われると、あ、そぅ(きっと話したくないのかな??)と思い会話が続きにくくなる。
『もう着いた(トゥンレーオ)』
今どこ?と聞くと『もう着いた』と言う。これはタイ語の微妙な表現のあやで、『もうすぐ着く』と言う表現と勘違いされやすいのを利用した遅刻魔の手口である。実際は着いていない事が殆んどだ。
いつも自分は遅刻をしないので待ち合わせ場所に先にいる。そんななか電話をして今どこ?と聞いたときに『もう着いた』と言われたときには、どこにいるんだ?自分はもう待ち合わせ場所にいるぞ!といじめるのも楽しいものだ。といいつつも普段はいつも気長に待つので催促をする事はない。
渋滞もあるし、のんびりしているので、待つ側ものんびり気長に待たないと損だ。
※レーオは殆んどの場合で過去形にする為の単語だが場合によっては『・・・・しそう』という意味にもなるのでそれを利用している言葉表現だ。
『今向かっている(ガムランパイ)』
これも遅刻魔の手口。今向かっているというと今シャワー浴びたばっかりだったり、家をでたばっかりだったりするので、待ち合わせ場所とは程遠い場所にいる時に使う口実。
『終わった(セッレーオ)』
これも遅刻魔の着いた!と同じ感じで使われる事がある。終わってないがもうすぐ終わる時にも使う。言っている人にしてみれば終わったと同じ事なので終わった!完了した!という事になる。
『長いね(ナーンレーオ)』
バンコクにどれ位住んでるの?『長いね』と返ってくる。
この長いは何ヶ月、何日、何年か分からないが、その人にしてみたらどれだけ住んでいるかはきっと興味のない事なのである。
もうひとつ『長くない(マイナーン)』も同じような意味合いで出てくる。
『もうごはん食べた?(ターンカーオヤン)』
出だしに書いた、挨拶の変わりに使う挨拶言葉である。
この『カーオ』が少しクセものだ。
通常であればこのカーオは食事を意味するが厳密には炊き上がったお米(白米)を意味するので人によっては、『ごはんはまだだけどパンは食べた』と返ってくる場合もある。
時間の返答や県外などすごく大雑把なのにこいう事には何故か細かい?
『家(バーン)』
これも大雑把には行かない表現の一つである。すごく細かい。
『バーン』は家、一軒家を意味する言葉だが、自宅という意味にもなるがこの自宅は実家または本当の一軒家になる。
家に帰るは『クラップバーン』だが、アパートやコンドミニアム(分譲マンション)、寮に住んでいる人には使えない?言葉だ。そういう場所に住んでいる人達が『クラップバーン』というと実家に帰るの?と勘違いされる場合も多々ある。
家以外に住んでいる人に《どこにいるの?》と聞くと『コンド(コンドミニアム:分譲マンションにいる』または『部屋にいる』となる。家に帰るが部屋に帰るという表現に変わるので《クラップホン》となる。

国が異なれば文化も違えば言語も違うので相互理解をするには言語を知り、その奥深くにある文化背景も理解をしていないと本当の理解をする事が難しいときがある。同じ国に生まれ同じ言語を話しても生まれた場所が違えば感覚が違うのも当たり前なので、その行き違いにストレスを感じるのではなく、その違いを楽しめるのが異文化交流の面白さである。
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