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入国管理法

機会がありタイ入局管理警察による説明会に参加をした。



タイは大観光国であり外国人がひしめき合っている。それは外国人が空港で飛行機を降り立ったときから見れる光景である。


外国人の出入りが多いため、その外国人を管理する為の入国管理法があり、それを取り締まっている警察が存在している。この警察は入国管理局の警察官で、通常の警察官、ツーリストポリスとも別の管轄である。


空港のパスポートコントロールの人達がそれである。彼らは警察官である。


今回の説明会は入国管理法について全部の説明ではないく、タイ人側が外国人を滞在先に受け入れた際の法律の説明である。場所はバンコク・ドンムアン空港近くの警察カントリークラブの催事場で行われた。



主催はタイ王国入局管理局最高司令官によるものだったので、説明会というよりも何かの華やかな催しと言った感じである。

記者の人達もスタンバイをしていて、レセプションで記念写真などを撮っている人も沢山いた。警察の行事でなければレッドカーペットが敷かれていそうな雰囲気であった。


偉い人が来るとは聞いていたが、ただの説明会と思って行ったので服装が普段着過ぎて少し失敗したと思った。


各部署の警察のお偉いさん方々も来ているようだったが自分には顔の見分けがつかないのでよく分からなかった。




タイ人(受け入れ側)に課せられる法律とはこうだ。


ホテルの場合

外国人がチェックインしてから24時間以内に入国管理局へ個人情報の提供が必要。


この理由からチェックインの際にパスポートとタイ王国入国の際に書く出入国カードの提出が必要となる。タイ人の間ではこのホテルの仕事は多くの人が知っているので今まで大きな問題にならなかった。



今回この様な説明会が大規模に行われる理由になったのは、ホテルではなくコンドミニアム(分譲マンション)で事件が起きたからである。


上記に書いた様にホテルでは当たり前にしている作業であったが、それ以外のアパートやコンドミニアムではしなくても良いという勝手な理解に達していたのでほぼ誰もこの法律を守っていなかった。



少し話はそれて、この『事件』の概要説明をしておく。とても滑稽な事件であったがそれが火種となりタイ全体に影響を及ぼした事件である。


バンコクのラマ3世通りにある高層コンドミニアム(築4年程度)の住人から管理事務所にある苦情が出された。この住人というのは外国人であり、大家はタイ人である。


苦情内容は近くにあるお寺のお経が毎朝、朝早くから流されて睡眠の妨げになり健康を害されたという苦情であった。


当初は非常に滑稽な苦情であり大事になるとは誰も思っていなかった。

当事者のお寺は300年以上その場所にあり、その周りの住人も今までひとつも文句を言った事はなかった。



逆にその周りの住人に言わせると、この高層コンドミニアム建設に伴う道路渋滞、粉塵、それからなによりも騒音に悩まされたが、工事だから致し方ないこととして誰も苦情を出さなかった。300年以上存在するお寺に対し築4年程度の建物がうるさいと苦情を出すのはなにごとだ、ばかばかしい珍事件という事で大きく取り上げられたのである。


有名になった事でどの部屋からの苦情か、という事になり情報を辿っていくと実はその住人は海外で指名手配になっている逃亡者であり、貸主の大家もタイではホテル法に触れる違法なやり方で部屋を貸し出していた事が判明したので、貸主は逮捕、住人は国に強制送還となった。



この事件が発端となり、実はコンドミニアムやアパートの賃貸でも外国人の情報を警察に提出の法的義務がある、という事実が判明したので今回この説明会が開かれた。


法律で義務化している理由はこういった悪質外国人からのトラブルを避けるためであり、それ以外にも何か外国人の身に起きた場合でもその追跡が可能になるので、この作業は強制的に行う必要があり、それを守らない者に対しては罰金または禁固刑も処すとなっている。


禁固刑6ヶ月未満、罰金は部屋数などによるが2000バーツから10万バーツ未満。


自己防衛の一環であり、利益がある事なので必要がある事と再度実感をした。



この話の要点として伝えたい事は、この『入国カード』は絶対になくしてはいけないものである。入国の際に入国警察係員によってはホチキスで閉じてくれる人もいる。

もしこの入国カードをなくしてしまった場合ホテルにチェックイン出来ない場合も充分ある。自身の経験で友人がチェックインを断られた事があるので充分気をつけよう。

この友人はオンライン予約などせずウォークインだったという理由もあると思うが。


出国の際に無くなった事に気づいた場合は最寄の入国管理警察、またはカウンターチェックインの際に伝えておくと対処方法を教えてくれる。人によっては改めて入国カードをくれて書き直してそれでおしまい、な場合もある。


出国審査のパスポート確認の際に ない! となった場合はあせるし、また並びなおしを命じられる場合もあるので、ホテルチェックアウト前に必ず確認をする事。なによりも絶対になくさない事である。



招待状にタイ語だが『どうすれば快適で幸せに暮らせるか』と書いてある。


この題材を元に行われた説明会であったため、途中お坊さんも説明会の特別ゲストとして登場した。



さすが仏教国である、と個人的な感想だが、仏教徒が殆んどなのでみなお坊さんの話には当たり前に耳を傾ける。


お坊さんは仏教を通してお話をしていたが、この殺伐とした世の中で自分自身がどれがけ他人を思いやれるか、自分が今何をしているか気づく必要がある、など精神論で話をしていてとても説得力があり、ジーンとなっている人が結構いた。例え話がとても具体的で参考になる内容ばかりであった。


以前にも『バンコク交差点』の中で話をした譲り合いの精神など今のこのせわしい世の中ではとても必要なものだと痛感した。


お坊さん曰く、法律も宗教と同じでみなの心の静寂さと保つため、みなの幸せを守るために存在をしてるのは変わらない、と言っていた。



最後に、最高司令官はとても気さくで優しい人となりの人であった。



タイは自由の国であるが為に法律も今まで以上に機能していかなくてはならない。


 
 
 

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