ワイ (タイの挨拶)
- 絵空事
- Oct 3, 2018
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Updated: Oct 1, 2020

合掌をして、挨拶、感謝、謝罪の行為または神様を拝む事ををワイと呼ぶ。
タイ、カンボジアなどで見られる習慣。個人的にとても美しい文化でありそのまま続いて行って欲しいと思う文化のひとつである。
挨拶のワイは部下の人や、年下の人が年上、目上の人へ敬意を込めてワイをして挨拶をする。

年上の人が年下の人にワイを先にすると、若い人を早死にさせてしまうのでやめて下さい、とすぐ言われる。迷信やものの言い方、言葉のあやで表現させているのだろが、原則は目上の人が他者からの挨拶を受け、それを返す様にワイをして挨拶をする、とされている。

合掌した手はちょうど自分の胸のみぞおち辺りに構えておく、肘も自分の肩幅に合わせる。そしてそのままお辞儀のように頭を下げ、中指が額眉間につく様に頭を傾けるのが正方。合掌した手の位置はあくまで変えず、頭を下げる事で顔が指先に付くようにする。
相手の身分によっては頭と共に腰を少し傾ける必要がある。
頭を下げ終わったところで、体制を起こしニコッと微笑んで初めて、サワっディークラップ(カ)、と言い、手を下げるのが正しい流れ。歩きながらするのではなく、相手にある程度近寄ったところで立ち止まり、ワイをして頭を下げて、初めて挨拶の言葉を発する。

どの国の文化もそうだろうが、一度に沢山の事をしているとまとまりがない、収集がつかないなど落ち着きがない印象を与えてしまいかねない。
タイ航空のビデオ。終わりの部分が非常に分かり易い綺麗なワイである。
絶対の決まりではないのでおのおの個人の特徴があると思うが、合掌した手を上に上げて顔の正面や額部分にもって、腕が広く開いた上体で挨拶をすると、少し粗野に見えたり、田舎っぽいなどの印象を与えてしまう可能性もある。決して間違っているという事はないが正統派からそれているというだけ。

合掌をする際、手に何も持っていない事が正方。携帯や、何かを手に握り合掌をして挨拶をするという事は原則ご法度だけど、今の時代誰もが気にせず行っているのでお咎めはない。
今の時代携帯を常に手に握っているのも当たり前の世の中なので致し方が無い事なのかも知れない。
もし手に持っているものを置くことが出来ない場合は、合掌をせずに頭を下げるなど違う方法で敬意を払った挨拶で対応できる。逆に手荷物いっぱいでワイをする方が不恰好で見た目がよろしくない印象を受ける事もある。
今の時代でもお咎めがあるのが、片手で合掌をして挨拶をする、という行為。
片手だけというのは通常の敬意の半分でいい、などある意味で相手を見下す、馬鹿にしている行為になるため、片手のワイはご法度である。
外国人はあくまで外国人なのでワイをする必要はないし、相手もそのつもりで手を振って挨拶や、バイバイになったりする場合もある。ただ、大概の人はワイで正しいタイ人の挨拶となる事が多い。
郷に入れば号に従えではないけれど、綺麗なワイで挨拶が出来る外国人というのはタイ人に喜ばれ、それだけで印象がぐっとよくなるので練習をしておくと損は決してない。
感謝や謝罪の場合は自ら先にワイをしていいし、するべきなので大丈夫。
ただ、タクシーやドアマンなどに感謝の表現でワイをしている人は少ない。通りがかりの流れでするのは違和感があるからかほぼ誰もしない。
買い物をした時や銀行などででワイをされた場合は大概の人がワイを返しているのを見受けられる。ワイは相手に敬意を表す大事表現なのでワイを返さないというのも失礼に当たる。
タイ航空に搭乗した時もワイで迎え入れられるが、乗客の殆んどは手荷物で手一杯なのでワイを返せない。これは通常の事なので失礼に当たらないが、タイ人の多くはニコッと笑いこんにちわと言い、頭を上げることでワイを受けて返す事にしている。

あとは大きな建物または多くの一軒家には常に祠が設置されている。仏教以前のタイの土着文化があり祠と共に仏様が置かれている所がおおい。信仰深い人達はそこを通り過ぎる度にワイをして通る。お寺の前を通り過ぎる際もワイをしている人がいる。
歩いていても、バスにのっていても、電車に乗っていてもワイをしている人がいる。

ワイとはタイの人々に密着した文化のひとつである。
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