バンコク露店と屋台事情
- 絵空事
- Dec 19, 2018
- 6 min read
Updated: Apr 20, 2020

一昔前、10年程度前であればどこでも場所代を払うか、払わなくてもいい場所もあり屋台がどこでも開けていた。ある意味である程度場所を知っていて、屋台(ものを売るための台車)を買うだけのお金があれば商売を始める事が可能である。(何を売るか、素材をどこで揃えるか、素材を揃えるお金はまた別)
場所代がかかるのは例えば商店の前に屋台を構えて売る場合、その商店に場所代を払うのと電気を使う場合は電気代を払っている。それ以外の大通りの場合はバンコク都の管理職員(警察っぽい服装で深緑っぽい茶色の征服を着ている人)に正方ではないが払って、その場所の使用を容認してもらっている。

この屋台は大きさによるが1万バーツ以下もあれば3万から5万バーツである。3万バーツを超えたものはよく見かける屋根付のカオマンガイやグィッディャオ屋のものである。
近年出来た規則でバンコクは毎週月曜日は通り沿いでの屋台販売一切の禁止という事になった。はっきりとした理由は忘れてしまったが、その当時話されていたのはタイは大観光国でありゴミゴミしている雰囲気を一掃したい、月曜日は渋滞がひどいので朝の渋滞を少しでも軽減する為に、などなどの噂を聞いたのを覚えている。

屋台と渋滞?と思う人がいるかも知れない。理由はこうだ。
屋台は場所によって歩道を占拠しているので歩く場所が無くなった人達が車道へ出て歩く、または車道の端の一部に屋台が迫り出している、そしてそれに集る人が出来るのである。
または屋台を出す場所と、屋台をしまっている場所が違うのでその屋台(中型から小型のもの)(車輪付)を運ぶ際に車道を歩いてくる人もいるので、渋滞の原因になり得るのである。
その後2015年頃だったろうか、軍事政権成立暫くしてから今までの適当なあるようでない決まりを厳しく取り締まる動きが出てきて、一切の屋台禁止令が出た。
ヤワラーだけは例外ではないかと思っている。夜7時を目処に警察が道路を取り締まりガードレールが現れてヤワラー通りに沿って屋台が現れるのである。

軍は大昔から『大義の為』に存在をしてきたので、『多少』の犠牲は厭わないのである。
現在のバンコクでは軍事政権が大多数の人の快適な生活を優先する為、この屋台の店主たちは少数であり、彼らの犠牲は厭わない。
例えば政府発行の宝くじもその影響を受けている。政府では80バーツで売っているが昨年より前は100バーツや120バーツもあったのであるが2018年現在では政府規定の金額でしか売る事が出来なくなっているので、購入する国民としてはとてもありがたい事である。
それ以外にもモーサイ(バイクタクシー)も違法に交通費を請求しないように主な行き先とそこまでの料金を示した張り紙を作らないと営業させない。運転手は交通局で運転手登録をしない限り営業が出来ない、という決まりを作り、軍が見回りと確認を結構まめにしていた。

話は戻り、この屋台の禁止は公共の空間を不法占拠している屋台が対象となるのでセブンイレブンのお店の前などの私有地や小さなソイの中のアパートの前などにあるのは対象外となるが、駅前や明らかに大通りの歩道を占拠している屋台などがそうである。
バンコク都住人として良い点を見た場合はこうだ。
町が歩きやすくなる、生ごみが減るのであのすっぱい生ごみの匂いがなくなる、油や食べかすを道路の排水溝に流す事がなくなるので排水溝が詰まりにくくなり冠水の軽減も期待、それにまつわるねずみや害虫の軽減と色々である。
悪い点を見ると、朝のコーヒーや朝ご飯、夕方の夕ご飯などを売る場所が一気に減るので不便になるのだ。

または屋台の店主からすると、いきなり政府に職を奪われてしまうという悲惨な結果でもある。この点だけ見ると、とても可愛そうであるし、この先どこで同じものを売ることが出来るのか? はたまた、転職を考える必要にせまられるのか? と考えることがあるだろう。
駅前などは場所が限られており屋台が置ける場所も少ないので競争相手がいないし、場所代も市場より安いのかもしれない。その場所で営業が出来ないとなると市場の中での営業。家賃がかかり、競争相手が増えるので売り上げも今まで通りとも言えないので将来がとても不安になる。

ただ、もう一つの見方をすると、公共の場所を不法占拠をしてお金を得ていた訳でもあるのだ。いつしかこういう事が起こるだろうと思っていたかも知れない。ただこの屋台文化はもう長い事こうして来たので、まさかこの時期にそれが起るとは誰も思っていなかったかも知れない。
場所によっては公式に不法占拠であるとバンコク都から警告を受けており、不法占拠で営業を続ける場合は1日2千バーツ(6千円前後)の罰金を科すとまで言われていても、一日2千バーツなら良いといって販売を続けている人達もいる。
東南アジアは賄賂などが平然とある為に決まりが決まりとして機能しない所が多々あるがバンコクも同じである。取り締まり強化をし始めた頃はシーンと静まり返り決まりが決まりとして機能するが、少しするとまた少しずつ元に戻ろうとしていく。
屋台の店主さんは慣れた場所で再び商売がしたい、収入がなくなるのは死活問題だ。もし取締りがきつくなければ都の職員の人も屋台の店主から場所代が取れるので副収入源になるのである。なのでこっそり帰ってきて営業を始めたり、追い返されたりの繰り返しのうちに、場所代を賄賂として渡せば営業が出来るかも知れない。
上記の様な事もあるので、一時期はこの都の職員がきちんと取締りをしているか確認をする為に軍が見回りをしてる事も見かけた。2018年現在の軍事政権化では一進一退である。戻りつつあってはまた取り締まられての繰り返しをしている。
場所によっては不法占拠は確かに認めるが、それをずっと黙認してきた政府がいきなり立ち退き命令を出すのは不公平であり、黙認してきた事にも非があるので、もし追い出すのであれば政府が次の場所を用意すべきであるという戦いも起きている。

別の場所だが、チャトゥチャックに行った事がある人の中で見たことがあるかも知れないのだが、市場の中の大通りの脇に布を敷いてその上でものを売っている人がいる。実は違法行為で場所代を払っていないのである。公園管理職人が来ると急いでたたんで場所を変えるか、職員が去るのを待つのの繰り返しである。
自分はチャトゥチャックの経験は豊富ではなく10回程度しか行った事が無いが、上記の物売りの人達は大体夕方に見かける。売っているものは人それぞれだが、値段も結構安いのでいつも行く度に人だかりが出来ている。
もし公園管理職員が来た場合は一瞬にしてたたみ、さっきまでその商品を見ていた人達もじっと職員が去るのを待って、また布を広げて品定めをするのの繰り返しをしている。
いつも繰り返し言っている事だがタイは『自由の国』である為、どんな職業でもいろんな場所で商売が出来るのである。
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