バンコクのコロナ対策
- 絵空事
- Mar 28, 2020
- 5 min read
Updated: Apr 21, 2020
コロナ危機
もともと気が重くなるような題材や誰かの悪口になり得る題材はあまり書きたくない。
たまにどうしても書きたくて書く以外はしないようにしている。
今回は全世界の人たちが直面している危機をバンコクではどのようにしているのかを書きたい。

いつも通り周りの国の事はその国、その場所にいないので知らないから比較対象にはしないし、バンコクに住んでいて見た事、テレビのニュースで聞いたことを書くので、誰が良い、悪いという意図は全くない。
タイという国は大観光国であり国の収入の12パーセントが観光からと言われている。東アジアやヨーロッパの観光収入平均はその国の1パーセントらしい。
この12パーセントの多くは大陸からの中国人観光客、主にツアーで成り立っている。なのでタイは常に大陸からの中国人観光客で溢れかえっていた。

コロナウィルスが中国大陸から拡散したのちすぐにタイで大陸からのツアーの禁止が発令。それに伴う中国人相手の観光ガイドが瞬間的に職を失う事になった。中国自体も自身の国民の海外への移動を禁止していたのでタイから大陸からの中国人観光客があっというまに消え去ってしまった。
大陸からの中国人の出入りが一気に減ったせいか感染者が増える事もなく暫く平穏を保っていた。まるで誇らしいかの様にタイはまだ国内感染、およびタイ人の感染者はいない、と暫く報道していた。

とはいえマスクが不足する、一部の権力を持った人たちの間でのマスクの買い占めなどがおきてマスク自体も手に入り難いまま時は過ぎて行った。最終的には病院など医療関係の人たちの為のマスク不足になって社会問題となり、例のマスクを独り占めしていた人たちは釣るし上げられることになった。
独り占めの量が数千万枚という買い占めをしていて、将来的に1バーツでも10バーツでも上乗せして輸出で儲けようとしていた目論みも今や水の泡となった。それともすでに大量の輸出をして設けてしまったかはまだ明らかになっていない。

こういう事があったので、現在マスクは個人での販売を禁止している。転売用に頑張って集めていた人たちもすでに販売不可。郵便や通販の場合も中身を空けて確認をするので内緒にしていても明るみに出てしまうし罰金や禁固刑が待っている厳しい措置をとっている。セブンイレブンなど大企業のみが販売出来る状態だ。
タイは誇らしげに国内感染者はまだ1人。感染拡大の抑制は出来ていると自信があったのかバンコク都はのんびりと構えていた。そのためムエタイスタジアムもそのままで毎回5千人程度の人が出入りをしていた。そんななかそこから感染者が出る事となった。発端はその大会の司会を務めた芸能人が感染をして、今まで接触した人々に警告をする為に表舞台に出てきたからである。
1度感染者が5000人の中から出てきたのでそれが判明をした時点でスタジアム自体は消毒をされた。がまた懲りずそのまま人ムエタイは続きさらなる5000人が出入りをする。この消毒後にも感染者が出る事となる。つまり1万人が一気に感染を疑う存在となった。
タイ全土でムエタイを閉鎖していなかったために、ムエタイファン達は感染の事を知る事もなく、気にすることもなく全国各地にあるムエタイスタジアムを巡った。そのことによって、今まで感染数が少なかった地方へも感染が広まる事となった。

この出来事もありバンコク都は全ての大型営業施設の閉鎖を2020年3月22日(日)から実施することとなった。デパート、レストランのいきなりの閉鎖、しかも3週間という機関の長さから物価の高いバンコクに無収入でいる事はとても出来ないので多くの人が彼らの国(ミャンマー、カンボジア、ラオス)や田舎に帰るという集団移動が発生した。
この集団移動でもバンコクからタイ全国各地へ感染が広がる要因の一つとなった。バンコクの閉鎖は今となっては時すでに遅しであり3月22日以降急激な感染拡大が起きている。

2020年3月に入ってから自主的な自宅勤務、または精神的に病気への恐怖心から家を出ない人、それから学校の相次ぐ閉鎖に伴い自粛や禁止を呼びかける前からどんどん街から人が消えて行ったバンコクだ。もちろん道路からも渋滞という文字が消えて行った。
バンコクの商業施設閉鎖以降はさらに交通量が減ったために久々の青空を望める日々となっている。

セブンイレブンや、スーパーは通常営業をしているし屋台も持ち帰りであれば引き続き営業が出来るので食べ物に不便をすることはまずない。外出の自粛要請は出ているものの厳しく取り締まっている訳ではないので出入りは全く自由。
ロータスなど大型スーパーの入り口には温度計を持った人がいて、入店前に熱を測り平熱であればアルコール消毒ジェルで手を消毒して入店が可能となる。なぜかマスクをしていなくても入店できてしまう。

タイ国内のタイ人どうして言い合ってることがある。諸外国は病気を怖がらず普通に生活をしている。感染が広まれば臨機応変に対応をしている。感染者が一番多いのは●●国、死者が一番多いのは▲▲国、一番怖がっているのは【タイ】と言い切っている位怖がっている人が多いし、どの人の会話も【もしかしてすでに感染してるかな?】という自問自答会話。
この自問自答を面白おかしくした替え歌。もんもんとしたストレスを忘れさせてくれる。
疑心暗鬼や恐怖心はよくないけれど、タイでは良い意味で効果を発していて人が家から出ない、電車やバスの公共交通もガラガラなど良い方向になっているのも間違いない。恐怖心のあまり実際に感染して病気になる前に精神崩壊を起こしかねない人が多いタイだ。
もしタイで流行語大賞があるとすれば2020年流行語大賞は【もう感染してるかも?】が1位になれると言い切れる位言われている。
それぐらいにタイでは【怖い】存在の病気となっている。
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