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バンコクのクリスマス

Updated: May 18, 2020



タイ人同士での会話でよく『ここは仏教国だ』という言葉が出てくる。

これは宗教差別ではなくある皮肉を込めた言い方なのである。


国民の半数以上が仏教徒、それから国の休日も仏教に関わる祝日が多い。タイ国王家の儀式も仏教に従った慣わしで行われている。



そのせいか、外国からも国内からも何かにつけて『仏教徒の国だから』と理由付けられてしまっている。

仏教祝日の前の日はお酒の販売はしない、お寺に入る時の服装規制、はたまた普段の格好でも余り大胆なものは冷たい視線を浴びる事もある。


どの宗教でも同じだと勝手に解釈をしているが、人々は慎み深く落ち着いている人々がそういった宗教を支えている。つまりは『タイ王国=仏教徒の国=慎み深い国』なのである。



さて、どこが皮肉なのかというと、慎み深ければ派手な事はなく、目立つ行為も尚更にないのであるが、バンコク、パタヤー、プーケットなど風俗産業が世界的に有名であり、歓楽街もあちこちにあるのが事実。


カーオサーン通りでは毎晩の様に外国人、タイ人がお酒を飲んで大騒ぎ、その他の場所の歓楽街も平日、週末を関係なく大賑わいになっている。こういった事実からそれを皮肉って『ここは仏教徒の国』と言っているのである。


父の日に黄色の服 イルミネーション撮影の人達

余談だが、20年程前はまだ女の人がそんなにタバコを吸っていなかった。女の人がタバコを吸っているのはそれはそれは見苦しいとされていたが、近年ではもう普通の事であり誰もなにも咎めたり、冷たい目で見る事はなくなって来ている。


古き良き慣わし、仏教の教えはそのまま受け継ぎつつも時代と共に変化をして、それを受け入れているタイの『寛容深い』ところはある意味で仏教の教えの通りである。


ニコちゃんデコレーションもある2018年

さて、この仏教の国でクリスマスはあるか?という疑問だが、聞くまでもなくタイはお祭り事、派手な事が大好きな人が多々いるため大きなデパートなどでは大々的な飾りつけでお客の呼び込み売り上げ上昇効果を競い合っている。


どのデパートも有名ブランド、有名レストランは軒並み一通り揃っているので中身ではなく外見で客引きの必要があるのである。クリスマスや、季節の飾りつけはソーシャルメディアで広がり更なるお客を呼ぶ事になる。



大きなデパートの催事場では毎年の如く時計など貴金属の商品の販売がされている。ボーナス需要を見越したものである。

それ以外に年末年始の忘年会、新年会のプレゼント交換に合わせて商品購入や、お歳暮品の販売も盛んになる。



折り紙文化がないタイでは贈り物の包装は苦手である。

多くのデパートでは包装無料サービスもしており、そこで買った商品であれば包装紙も無料で対応をしてくれる。


だいたい見受けられるのが学生のアルバイトの子達であり決して慣れてはいない。セロハンテープでべたべたと貼り付けて包んでくれるので開封は一苦労である。


デパート内に特別コーナーとしてクリスマス関係の商品の販売も大きなブースが設けられる。毎年それなりに目新しいものが出てきているが、大体は定番ものである。



バンコクは西洋人も多いのでクリスマスパーティーもあちらこちらで開かれているし、大きなクラブなどでも大々的にパーティーが開かれる。大人の西洋人からするとクリスマスは家で家族と静かに過ごす『休日』であるべきだが、ここアジアでは関係なく大騒ぎも出来るし、年末の休みに向けて仕事納めの為大忙しになっている。



少数派であるが東北出身のタイ人でカトリック及びプロテスタントの人も多くいるし、その中でベトナム系の血が入っている人達は敬虔なカトリックな人もいる。もちろんバンコクにもプロテスタント、カトリック両方存在していて、協会もその両者があるし、フィリピンの出稼ぎのカトリックの人達もクリスマスイヴから教会に行く人も多くいる。厳かなるクリスマスを過ごす人達である。



それ以外の一般的な人達はタイの一般に属するのでお休みも大晦日、元旦と2日の3日間の休みが通常になる。ソンクラーンがタイの本当のお正月なのでキリスト暦に合わせた年末年始は少ない休みとなる。2018年度は29日が土曜日なので通常より多くお休みになる所が多いだろう。


クリスマス当日は何か美味しいものを食べる事や、恋人同士がデートをする、という感覚の日ではない。これに相当するものはローイクラトンである。

ただ、年末の休みや、近づいてくるソンクラーン休みに向けてウキウキし始める時期である。



西洋からの文化を大きく受けて大晦日はカウントダウンパーティーも催される。有名なのは

セントラルワールドの前で開かれるものである。一時期爆弾騒ぎが多発していた時期はこういった行事、人が多く集まるところには極力行かないようにという勧告も出ていたが、それに負けず多くの人が集まっていた。お祭り事が好きな陽気な人々が多いのである。



それから時間のゆとりと言う意味で各所で飾られているクリスマスツリーその他の装飾は年明けまで飾られているので、クリスマス=西暦の新年という解釈となっている。

その後暫くすると中国正月の飾りに取って変わる。クアラルンプールに行った時も同じ状況であった。イスラム教徒の人達は宗教を超えてひとつの綺麗に飾られた空間を楽しむという志向になっている。


2018年のパビリオン・クアラルンプールはミッキーマウスのクリスマスになっているのでとても興味深いので行けたら行こうと思っている。



宗教を超えて国際的な行事のひとつに間違いないのがアジアのクリスマスである。



最後にタイでは12月にある行事としてクリスマスよりも大切な行事として5日の第9代国王誕生記念日及び父の日である。第9代国王が健在の時はジャオプラヤー川沿いで大きな花火があがったり、海軍によるタイ伝統の長舟を川で漕ぐ等、盛大なパレードでお誕生日をお祝いしていたものだ。



王宮周辺も装飾がされてとても美しく雰囲気が良い場所になっており、多くの見物人の人で溢れている状態である。ここ数年は父の日の自転車マラソンが行われており父の日の各所での道路の一時通行止めもあるが、祝日なので渋滞自体が殆んど無いので大きな影響はないので迷惑を被っている事は余り無い。



第9代国王が崩御されてから時間が経っているが2018年12月5日に黄色の服を着ている人達が多数いた。黄色は月曜日生まれの色以外に第9代国王を象徴する色でもあるのでタイでは黄色は特別な色であり12月5日に好んで着られる色である。



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