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タイ発月面着陸②

明らかにされた事実を具体的に。


まずは大大大大前提としてこのムーバーン(ビレッジ:一軒家が集まる居住地)内では一切の営業は禁止。住宅として使用する建物のみ建設可という地区である。



●5つの内3つの市場は営業許可がない。

●残りの2つの市場はバンコク都から営業許可が下りている。

●法律違反だがバンコク都が営業許可を出している。

●5つ全ての市場は不法営業で不当利益を得ている。

●不法営業に伴い収入税を納めていない。

●全ての市場で駐車場管理、下水道、衛生管理などが徹底されていない。

●不法営業にも関わらずバンコク都は営業停止命令を出してない。

●不法建築にも関わらずバンコク都は解体命令を出していない。

●不法営業、バンコク都管理の道路上での営業をしているが退去命令を出していない。

●違法駐車、不法占拠営業をしているにも関わらず区役所はその管理をしていない。


などなど数え切れないが明確なのはバンコク都と区役所が明らかに違反を手助けしている。

この手助けというのは無償ではないだろうと言う事だ。

ビーおばさんはこの事を10年訴え続けていた。



ただ、映像が物語るものはビーおばさんが個人的に生鮮市場、人ごみが嫌いなだけで、それを煙たがり市場の店主達を追い出して無職にして苦しめようとしている、という印象に当初なってしまっていた。


当初はビーおばさん一家は市場の多くの店主たちに罵られたり、白い目で見られていた。もちろん陰口も叩かれていた。


この店主たちは恨む相手を間違えているのだ。店主たちは事実を知らないだけで実は違法行為に加担している。全ての営業禁止地区に開かれている不法な市場にて販売をして収入を得ている、という事を当初知らず、知った後も裁判所の判断が出るまでは白黒はっきりしないので販売を続けていた。



慣れ親しんだ場所、常連もいる食べ物などを販売するお店がその場所を離れるのは失業に繫がる。なので店主たちにとっては死活問題でもある。だからと言ってビーおばさんを恨むのはお門違いである。


禁止令が出てもその場所で販売を続けていたし、車で売りに来たり、多種多様の方法を使って営業を続けていた。法律が禁止していると分かっても背に腹は代えられず違法販売を続けていた。とても可愛そうな話である。


本当に恨むべきはバンコク都だ。ひとつの国の首都を治める政府機関には当たり前に法律部門が設けられている。法律を知り尽くしたプロがいる。にも関わらず、今回の様な法律を無視した許可が下りている。つまりそこには何かの秘密が隠されている。



私益の為かどうか事実は明らかにされていないが、この許可さえなければこの市場も建設される事なく、店主たちもここに来て営業をする事などなかったのだ。ビーおばさんはこの事を10年かけてバンコク都と戦争をしていた。


①の冒頭に書いたがバンコク都地方裁判所の判決でビーおばさんが全面的に勝訴をした。

これだけ世の中で騒がれたので裁判所も政府よりの判断も出来ないだろう。


●全ての市場は違法営業の為強制退去命令。

●市場の持ち主に対して市場強制解体命令。

●ムーバーン内での一切の営業、販売の禁止。

●区役所職員はこの地区の管理を徹底して行う事。

●他人の家の前に車を停めることは違法であり、罰金刑及び禁固刑に処す。

など。


全ての法律に沿った個人の権利の主張が通った結果の判決となったが、なんとバンコク都は不服申し立てをしたのである。法律が高らかと掲げて、『禁止地区』と言っているのにも関わらず何を根拠に不服なのかが分からない結果となった。


ただ、不服申し立てをする事により判決結果が先延ばしされるので証拠隠滅の時間稼ぎかと思われる。それからその間も市場の営業が続けられるのである。


バンコク都知事

これが最終の最終の結果であるが、この時期ビーおばさんはあちこちのテレビ番組に引っ張りダコになっていた。弁護士と共に各ニュース番組に出演し、どの番組でも言っていた事がある。


『バンコク都が不服申し立てをするというのであれば、こちらも覚悟は出来ています。区や都という機関を相手に裁判はせず、職員、都知事及びその他の個人を相手に新たに申し立てを行います。』と断言をしたのである。


現在の都知事には不法営業を見過ごしていたという罪の責任を取る必要がある。過去の職員、都知事達も同じで、特に過去の職員は不法に営業許可書を発行した罪の問われるのである。現在、過去関係なくこちらの法律では罪に問う事が可能だからだ。


その後バンコク都は不服申し立てを取り下げる事となった。


このビーおばさんの強靭さには頭が下がる。この国では誰も政府と戦おうとは思わない。

誰が国家権力に逆らえるのか?と誰もが思う事だ。それ以外にも国家権力に盾突く事で失踪してしまう人もありえるからだ。


それからタイ初の『違法駐車で禁固刑に処す事が出来る』の判例を作り出した第一人者として崇められる存在となった。特にバンコクだが違法駐車が曲がり通っているのでこれを気に違法駐車の判例が増えて行く事となった。



ちなみにビーおばさんの家の門戸の前で写真を撮ったりするなど観光地と化していた。


自分の文章力の性でこの素晴らしい女性の凄さがうまく伝えられていないが、一時期はある意味でジャンヌダルクの様な存在となっていた。

 
 
 

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