タイ料理ってなに?
- 絵空事
- Apr 23, 2020
- 5 min read
ユーチューバーの女の子【ビューさん】が『タイ料理とは?』と問いかけていた内容が面白かったのでそれについて書きたい。
画像はこの【ビューさん】のページ『 Point of View 』から。

この【ビューさん】は若いながら話し上手で色々な昔の話、言い伝え、登場人物を引っ張り出してきては解析してみなに分かりやすく説明をしてくれる先生的な存在。【三国志】とか【アラジン】とかとてつもない物語とかもあっという間に分かりやすく説明をしてくれる。
しかも説明が上手なだけではなくて全然退屈をしない方法なのが素晴らしい。

普段は自宅で撮影をしているがたまに外に飛び出して現場で撮影をしている事もある。
今回は前にも招待をしていた【ポムさん】という女性を呼んでタイ料理についてだ。

この【ポムさん】はだいぶ前に自分が触れている内容の人で、自分が尊敬するタイの人たちのひとりだ。
ラーマ5世の血を受け継いでいる貴族の女性。それからタイ料理研究家であり古き良き伝統を今の世代の人たちに継承しているとても大切な人のひとり。
撮影現場のお店ももともとはこの【ポムさん】の自宅だった場所を息子さんが経営するタイ料理レストランに改装した場所。もちろん説明に出てくるタイ料理もこの【ポムさん】監修の料理だ。
さて本題に。
『タイ料理とは?』
どんな質問だ!とちょっとびっくり。

と随分と大まかな質問ではあるがなかなか鋭い質問でもあるかも?と思ってしまった自分。
【ポムさん】は笑いながら『タイでタイ人に食べられている料理よね!』と。

【ビューさん】『それは分かるのですが料理によっては、あれ?これはタイじゃないと思うのですが。。。』
食卓の上には4品の料理がならんでいる。

①ム~・パッ・ターオウォラジャン(豚肉の甘辛炒め)
これはもともと中華?

②ゲーン・マッサマン(タイカレー)
これはもともとマレーシア?
マッサマンという言葉を調べたらもともとはマッサマーという言葉でムスリムという言葉がなまって出来た言葉だからこれはもともとは中東の料理じゃないの?

③ム~・サテ(豚肉の串刺しステーキ)
これはもともとインドネシア?
インドネシアはもともとイスラム国家なのにどうして豚肉なの?

④トーン・イップ、トーン・ヨー(タイ伝統菓子:卵と砂糖を使っている)
これはもともとポルトガル?
あれ?でも4つともタイ料理として有名だしタイ料理として受け入れられているのはなぜ?
ひとつひとつの
***回答***
①ラーマ5世が病気の時に【ターオウォラジャン氏(人物名)】が作ったム~・ワーン(豚の甘辛炒め)が食べたいと言われて作ったのが始まり。この【ターオウォラジャン氏】がなくなってからは周りの人の記憶をたどって、きっとこうであったという様に作っているので正式に正しいかは分からないそうだ。

この【ターオウォラジャン氏】によって改良されたことにより【タイ料理】と呼べるようになった。

タイ料理の3大基本具材
(1)パクチーの根
(2)ニンニク
(3)黒コショウ
これらが入っているのもタイ料理としての特徴。それからただ甘いだけではなく多少の塩を入れる事で味がどちらかに偏らず円やかになっているのもタイ料理の特徴。味がひとつだけ際立っているものはない。
②タイとマレーシアは陸続きなので料理が行き来するのは通常の事であり美味しいものがあればその評判は広がり皆が作るようになるのも当たり前の事。ただ、マレーシアのマッサマンと違うのはタイのマッサマンはタイの香辛料、香草を使って作っている所が【タイ料理】と呼べる理由。
昔のマッサマンにはジャガイモが入っておらず、そのかわりサツマイモを使っていたが、現在はジャガイモが中心になっている。

何が正道とは言う必要がないが、マッサマンがマッサマンでいれるように基本を守って作られてさえいれば他にどんな具を入れても美味しければそれは【タイ料理のマッサマン】と呼べるそうだ。
③ム~・サテ
自分自身インドネシアに行くと牛かヤギか羊の肉のサテを食べる。確かに美味しい。
でも自分もこの【ビューさん】と同じ疑問にぶつかった。もともとはインドネシア料理なのにどうして豚があるんだろう?と。

答えは簡単。昔の人がインドネシアで食べてとても美味しかったのでそれを受け継ぎタイ風に、タイの調味料で作ったのが始まり。その当時は現在と違いタレを付けなくてもしっかり味付けがされているものだったそうだ。
④トーン・イップ、トーン・ヨー
これはタイでは有名であり沢山の人が知っている内容。
もともとはポルトガルの伝統菓子であるが、とあるタイ人女性が思い付きで作ったものだ。
思い付きと書くと軽々しくなってしまうので、お菓子の大発明と呼んだ方が合う。
当時のポルトガルのものとは結構かけ離れているようだ。タイ独特の道を歩んでいる。

【【総合回答】】
人の常として良いものを受け入れ、他人から学びそれを自分のものにするのと同じ様に料理も国という隔てを超えて人の手、口へ運ばれていくもの。その料理をどの国のものと固定するのではなくその料理の背景を知り美味しく食べて幸せになれればそれが一番よい。
もし【タイ料理とは?】というならばタイ独特の調味料、香辛料を使っているという事。それから味付けも原則は【円やか】であること。酸っぱすぎず、甘すぎず、どの味も目立って出ているのではなく共存して調和している事。
例えば甘い料理に塩を少し足すことでその甘さに深みを出せる などなど。

現在のタイ料理が甘いものばかりになっているのはかつてのしょっぱいものに多少の砂糖と入れる事でしょっぱさが円やかになり深みが出るなどの解釈を誤解してどんどん砂糖を使う様になったからだと言う。
時代と共に人は変わり、料理も人に合わせて変化し、進化していくものなので何が正しい、間違っている、正道、邪道と拘らず、美味しく作り、美味しく食べる事が大切、と【ポムさん】は教えてくれた。
【ポムさん】【ビューさん】勉強になりました!ありがとう。
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