同棲生活
- 絵空事
- Oct 10, 2018
- 6 min read
Updated: May 15, 2020
98 Wireless という超高級コンドミニアム。
こんなところで同棲したいなんて憧れる人が多いかも知れない。
といっても一握りも満たない人しか買えない最高物件のひとつ。
『同棲』と書くと結婚前の男女が同じ場所で生活を共にすると考える人が多い。
東南アジアでは同棲はごく普通の事である。

この同棲とは東南アジアではルームメイト・ハウスメイトとなる事が多々ある。
マレーシアはイギリス文化の影響を受けてハウスメイトとかフラットメイトと呼んでいるのを聞く。
タイの場合はタイ語でいうが、もし英語の場合はルームメイトである。逆にタイ語で英語を使ってルームメイトと言うと、部屋に同居している幽霊という意味に使われる。
恋人同士はもちろんの事、友達同士または知らない人同士で住んでいる事も通常の事としてある。理由は主に物価に対して人件費が余りに低いため家賃を一人で払っていたら生活が成り立たなくなるからである。
タイで見る限りでは知らない人同士が同じ部屋を共有しているのは今のところ知らない。
マレーシアの場合はフラットと呼ばれる2ベッドルーム3ベッドルームがありその寝室の数に合わせた人数で共有をしているので、知らない人どうしてもある程度お互いに空間が持てるし、寝室の扉には鍵があるので共有していけている。
バンコクでも2千バーツ代のアパートを探そうと思えば探せる。
ただ、場所がどんな通りの奥まっているところにあるか、エアコンありなしか、どれだけ古いか、どれだけ狭いか、トイレは共同か?など色々求めたくない条件が出てくる。

アパートの中でも格安なのがタウンハウス(幅5メートル奥行き12メートル程度)(
見た目の目安測定)の規模の4階建て程度の長屋の様な建物がタイには沢山ある。通常であれば1つの階に1部屋であるが、これを3部屋に分けて賃貸にしている場合もある。大きさとしてはシングルベッドを2台置くとぎゅうぎゅうか2台は収まらない、と想像するとわかり易い。
壁の仕切りもベニヤ板の様な簡素なもので仕切られている。大体のところはエアコンは付いていない。もちろんトイレは各階にはないので1階か他の階にあるトイレを共同にする。

こういったタウンハウスを改造したアパートは生鮮市場で荷物運びをしている人や警備員さん、工場勤めの人などの職業、または出稼ぎで来ているミャンマーやカンボジアのの人達などが滞在している。
またはかなりの節約家、部屋なんて寝るところなのでお金はかけません!みたいな意義込みのオフィスで仕事をしている人も見たことがある。節約家または実家に大金の仕送りの必要があるため、自身は質素な暮らしをしている人がいる。

余り安過ぎるところに住んだ場合はアパート内の治安も気になるので懸念のひとつとなる。泥棒、空き巣または近所の人のケンカなどで頻繁に悩まされても住むに住めなくなる。
1回だけエアコンが付いているこういったタウンハウスのアパートを見たことあるが好立地もあり3千8百バーツもした。その分住んでいる人達のお手入れの質が良いせいかとても清潔であった。部屋の中はエアコンとタンスが1つある以外ないもない部屋だった。

と、大体の人は上記の様なアパートには住みたくないと思っているのでそれなりに条件の良いアパートを探す。そうなると自然と家賃は最低でも3千バーツ強出さないとそれなりの場所には住めない。ましてや都心部や駅から近いなど好立地条件が重なると4千バーツでも探せない場合がある。

少しでも良い所に住もうと思うと、家賃は標準的な月給の3割以上である。物質社会であり見た目が重要視される今の世の中は周りの事を気にしていたらとてもお金がかかるのである。もっている携帯電話、かばん、服や靴、または肌のお手入れなど、とにかく出費ばかりだ。
東南アジアでは実家に仕送りも当たり前なので500バーツでも千バーツでも送れるだけのお金は実家に送金をしている若者が多い。5千バーツ以上の人も結構いるのを聞く。

小綺麗なアパート、コンドミニアムであれば5千から6千バーツは今の都心部では通常である。
(例外でスクムビット地区その他外国人駐在員が多いところは別の話である。1ヶ月7万バーツもあれば20万バーツの高級マンションが乱立している。)
そんな中9千バーツや1万5千バーツの月給から家賃に3割以上持っていかれてしまってはもともこうもなくなる。1日3食きっちり食べていたら食費もあっという間に100バーツをゆうに超えてしまう。
バンコクでは一番安い卵焼きご飯でも40バーツする。30バーツもあるが今はもうなかなか探せない。その昔は25バーツなどで食べられたものだ。
食事も一食50バーツは今では普通であり、夕食は誰かと食事をするとなればゆうに100バーツを超える。いまや100バーツは当たり前に使う金額である。
友人とソムタムを食べに行くとなると、ソムタム1品だけを一緒に食べる訳ではないので、その他諸々頼むと普通に一人100バーツは超える。
月給に比べて交通賃も高いのである。オフィス勤務の場合は1ヶ月平均千バーツや2千バーツと考えている。バイクタクシー、電車、バン(ハイエース系の小型送迎車)を駆使して出勤している人も多い。

小綺麗なアパート、タイ人の若者が多いコンドミニアムであれば5千から6千バーツは今の都心部では通常である。または1万バーツなどもここ数年の通常である。

と、前置きが長くなったが上記の様な事情によりアパートを共有する、同棲生活を送る若者が多いのである。二人で住めば好条件、好立地なおかつおしゃれなコンドミニアム(分譲マンション)を借りて住めるという利点も今の若者には大切な条件のひとつである。

部屋は新しければ新しいほど狭い。ここ10年以上は26平米など30平米以下が通常となっている。コンドミニアムでは30平米でも台所も浴室、ベットも置けるし、小さめの2人掛けのソファーも置けるなど、何不自由はないが、手狭な所を二人またはそれ以上で住むのがバンコクの現実である。
借りる以外にもコンドミニアムを購入して友達と支払い共有及び部屋を共有する、という事もある。賃貸は家賃をただただ支払うだけで、部屋は自分のものとはならないが、購入し、ローンを組んで家賃相当の支払いまたはそれ以下の支払いが済めば最後は自分の城となるので賃貸よりも購入を好む人が多い。

ひとつの部屋を共有して同棲するのは大学生や若い世代に多い。それなりに仕事暦が長い場合は一人で住める収入が安定しているか、恋人と同棲をする、結婚をして一緒に住んでいるという様になる。

警備員やタクシー運転手さんは寝る重視なのでおしゃれな場所などは選ぶ事が少ないと思うが、この二つの職業の人達は同棲をうまい事利用しているのである。この二つの職業は12時間就労であり、日勤と夜勤がある。日勤の人と夜勤の人が一緒の部屋にすむ事でお互いに顔を合わせるのは職場、または交代時だけで部屋では顔を合わせることがないので一人暮らしと同じ状態であるが、家賃は半分ずつである。とても効率的である。
と、東南アジアでは他人と住むという事に慣れている人が多いのである。
しかもこの狭い部屋に実家から家族が泊まりに来て両親をベッドに寝かせ自身は床でソファーで寝るなんて事も普通なのがこちらの生活である。
仲の良い友人であれば家族と共に滞在をするが、そうでない場合は友人の家族が来ている間は他の友人の泊まれる部屋で一時的に滞在をする、という事も良くあるのである。
Commentaires