ローイグラトン
- 絵空事
- Nov 23, 2018
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Updated: May 14, 2020

1年に一度の灯篭流しの行事。雨期明けの満月の夜に行われる。
ローイとは浮く、浮遊という意味で、グラトンは灯篭の意味である。基本は運河や川に流すが近年では池や大きなプールでも行われる。都市化が進んでいるので自然の減りつつあるのでこういう傾向になりつつある。

北部ではコーム・ローイと呼ぶ。コームとは照明や行燈という意味なので灯篭と同じであるがこれは気球と同じ原理で空に浮かんで飛んでいく。北部以外でも真似てこのコーム・ローイをしている所もある。バンコクも同じである。ただ都市部では電線などが多くある為基本は禁止をしている。禁止はしているが上げる人は沢山いるのが事実。

1年で一番ロマンチックな日と、タイでは言われている。バンコクでは特になにも大々的に行われないが、水がある所には灯篭があるので雰囲気がそれだけで美しく人々をうっとりさせる。
まん丸な十五夜の満月しかもかなり明るい月だったので夜になっても意外と明るかった。
お寺や水辺で出かける人が沢山いるので電車も夕方になると大混雑をするし、道路はもちろんそれはそれはひどい渋滞となる。

祭りに乗じて飲み物や灯篭も良く売れるので川辺や運河沿いにはそういった人達がこの日に限って商売をする。自分の友人も灯篭作りをして売っていたのでそこに合流をした。
灯篭は出来栄え、質により値段は様々だが30バーツから60バーツが平均である。100バーツも売っているのを見たことがあるが、大きなものだったり、かなり手の込んだ灯篭であった。

友人が売っていたものの値段は30バーツから50バーツであった。バナナの幹、葉、色とりどりの花、針など色々準備をして投資金は1,000バーツ。売り上げは2,500バーツなので純利益だけで1,000バーツ強なので決して損はしない商売であった。半日準備をして、夕方に急いで作り出していた。
生花を使っているので作りおきは出来ない為である。

東南アジアではバナナはどこにでもあり、バナナは食べる以外にもその昔はお皿の代わり、はたまたコップの代わりになっていたほど、きっても切り離せない植物である。はたまたもち米や、お菓子を蒸す際に葉を使って包む事もある。

今回の灯篭も殆んどがバナナの木から出来ている。幹が土台となり、葉で土台を包み込む。それから葉を使って装飾をしたり、バラの花に見立てたものを作ることも出来るかなりのすぐれものである。バナナの木の中は意外とスカスカしていて空気が沢山あるので、水の上で浮くことが出来るので灯篭に必ず使われる。

みなでわいわい作っている間にも灯篭が視界にはいり購入希望の人が次々と注文に来て、てんてこ舞いになりながらひたすらに灯篭を作りをしていた。

祝日になるお祭り行事ではないし、木曜日でまだ平日であるが昔からの伝統の行事の日なので沢山の人々が今年も例外にならず灯篭流しを楽しんでいた。
毎年見かけるのだがミャンマー人の人達も同じ文化があるので正装をしたミャンマー女性も沢山来ていた。

ミャンマーの人達にはお祭りではなく仏教行事なので正装をして来ているのかと思われる。
大体女性はみな民族衣装に身を包んで川にお参りに来ていた。男性は普段着だけれど、適当ではなくきちっとした服を着て来ていた。
話が少しそれるが、タイはまだまだ人の価値が低いし命が大切にされていない。
《価値が低い》という言葉の意味は人が死んでしまってもその命が蔑ろにされる事がある、という意味だ。交通事故の殺人事件でも当事者が大物やお金もちの場合は事件自体がもみ消されてしまう事も多々ある。
それとは別件であるが、海の警備や、川の警備など、もともと各々が自分の命に責任を持つべきであるがこういった国を挙げての行事はそれなりに警備体制を設けるべきだと思ってきた。
ただ、今年のローイグラトンは船着場や人が灯篭を流す場所に警察や、軍、それから河川管理の職員の人が安全の為の警備をしてくれていた。少しずつではあるが良い方向に変わりつつあるのではないかと期待している。
毎年のごとく渋滞がひどいので夜の12時過ぎまで待っていたが結局はまだ渋滞をしていて帰宅に少し時間がかかってしまった。

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