ワット・パー・パトム・チャイ(芸術散歩)
- 絵空事
- Nov 18, 2019
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Updated: May 15, 2020
大好きなナコンパトム(ナコーン・パトムとも書く)シリーズ。
静けさを追求した結果このお寺に辿り着いたのでそのお寺の内容を書く。
タイ自体仏教徒が多い国なので自然とお寺が沢山あるのも自然な事である。お寺も有名な場所やそうでない場所ももちろんあるし、有名なお寺は都市部や有名観光地または人口が多い場所に点在している。

アユタヤ県はその中でもお寺が多いことで有名である。アユタヤ時代からの遺跡も含めそれがお寺として残っているのもその要因だ。
地域や場所にかかわらず有名なお寺、ご利益があるとされるお寺、または絢爛豪華なお寺は必然的に多くの人たちでごったがえしている。心の平穏を求めてお寺に行ってもかえって疲れてしまうなんて人もいるはずだ。

自分のお気に入りのこのナコンパトムにもお寺が沢山ある。田舎の幹線道路を走る時によく見るのがお寺の名前が書かれた交通標識だが、ナコンパトムはこの交通標識がやたらあり、そのひとつひとつが全て違うお寺の名前になっている。
以前にも書いているがナコンパトムはバンコクと隣接していながら長閑な田舎の雰囲気をまだまだ保っておりタイらしさを漂わせている。昔ながらの文化は集落とお寺が一体となっていたせいなのかお寺が本当に沢山ある。しかも有名なお寺が沢山存在しているのも事実だ。

道路や町がきれいに整備されているし、他の場所よりきっちりしていて真面目な印象を個人的にもっているので、そいう事もありお寺も常に大事にされてきたのではないか、とまた妄想をしている。

今回紹介のお寺はナコンパトム市内という住所になっているが、『ナコンパトム市内』という時点でバンコクから遠い部分のナコンパトムを表している。
市内というと発展している印象だが、サーラーヤー郡はマヒドン医科大学があり、デパートのセントラルがありバンコクに隣接しているので発展している。

さらにこのお寺はラチャブリー県に近い位置にあるので、向かう途中あたりから人気がさっぱりなくなり、すれ違う車もプックアップの地元周辺の畑の作業の車で作業をしていそうな地元色濃い感じであった。

そうこう走っていると行き違いの車はほぼなくなり後ろを見ても後から走ってくる車すらないが砂利道はちゃんと続いている場所まで来てこの『ワット・パー・パトム・チャイ』を一瞬通り過ぎてしまった。
お寺を囲む外壁がとても高かったので中が伺えないのと、お寺の入り口の門が半分以上閉じられていた。しかもお寺の前には誰もおらず車も一台すら停まっていなかったからだ。

ひとまず外壁の脇に車を止めて中に入った。誰もいない静かな場所であり逆に入ってはいけない?と思うくらいであった。
とにかく人ひとりいない、お坊さんすらいない。境内にはそよ風の音と、鳥のさえずりそれから鈴の音が静かに聞こえるだけである。いたのは猫1匹だけだった。

お寺の成り立ちなど聞く相手もおらず、本堂など大切な場所は全て門や扉が閉じられており入る事が出来なかった。敷地内であるが建物の外側から見ているだけ。
立ち入り禁止になっている場所が多かったので20分程度の滞在。
その間中誰にも会う事はなかった。
と書くと怖いという誤解をまねきそうなので念押しで書くが、庭園の園芸も行き届いているし、お寺の建物の整備もきっちりされている清潔な場所である。

こんな都市部から離れたひと気のないお寺でも信者の人々の寄付やお布施もありお寺がそれを元にきちんと整備、管理されている素晴らしい見本な場所。
このお寺を簡単に言える大きな特徴として、タイ中央部にありながらお寺がランナー様式(タイ北部の様式)で立てられていてとても美しい情緒を漂わせたお寺である事。タイルや石膏で絢爛豪華さを表すのではなく木で素朴ながらもその豪華さを表している静かな美しさ。

もともとランパーン県(タイ北部)にある『ワット・ライ・ヒン・ルアン』を元に建設されているそうだ。最近多くある手の込んだ煌びやかなお寺とは正反対だがこの昔ながらの美しさにはつい惹かれてしまうものだ。
もしラチャブリー県に行かれる用事がある人は寄ってみる価値のあるお寺。わざわざ北部に行かなくてもランナー風の美しいお寺に出会える。

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