乾季の日曜日
- 絵空事
- Nov 12, 2018
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Updated: May 21, 2020

もう雨の心配がいらなくなったといいつつもまだたまに雨が降るし、ここ数日台風の影響も受けている。
タイはもともと自然災害が他国、近隣諸国と比べると断然少ないので台風も滅多に来ない。もしこの『台風』が来たとしても嵐程度なだけなのと雨がスコールではない長雨になる程度である。

ちょうどこの週末にバンコク最新スポットがオープンしたので多くの人がそちらへ流れて行った影響かその他の場所は結構人が少なかった。この最新スポットとは高島屋バンコク支店のデパートを含む総合施設であり、かなり力の入った都市計画でデパートの上には50階建ての分譲マンションが1棟建ち、その対でもう1棟がマンダリンオリエンタル(バンコク至高のホテル)が管理をするレジデンスがある。

オープニングセレモニーにはイギリスの有名女優に俳優も、それから韓国からも人気アイドルが式典に参加をしていた。力の入れ方は見ただけでも尋常ではないのが見て取れていたがこの式典がここまで大きなものになるとは思わなかった。
と、まるで行ってきて見た様な書き方だが式典はテレビでちらっと見ただけである。どこの国も同じで最新スポットはできたてほやほやだと人ごみがひどく、交通渋滞もあるので暫くは行く予定なし。

休みの日は静かに過ごしたいと思いつつ大概は出かけるので外には出るが人が多いところへは敢えて行かない。今回寄って来たのはチャン・チュイという場所である。南行きのバスのバスターターミナルの近くである。

タイ語でチャンチュイと言うと『出来損ない』という意味になるので、ある意味でみなに注目される名前の付け方である。コミュニティーモールの様でもあるが、現代芸術の美術館でもある。
もともとのオーナーがそれぞれの世代のそれぞれの創作をここに集中させて見たら面白いという事で始めたので、出来損ないな場所ではない。
普通デパートやコミュニティーモールはある程度雰囲気を統一させて、この場所で何を題材にしてどう感じで欲しい、などの明らかな主張がある。このチャンチュイは色々なものが結集している。なのでその空間が強制的に来た人に感じさせるものはなく、来た人が自分の想像力でそれを膨らませて行くという作り方であるので面白い。

自分は勝手に少し宇宙っぽいと思っている。タコもいれば骸骨もいるし、飛行機もあれば巨大な犬もいたり、色々だが、全部ひっくるめて宇宙っぽい感じである。銀河鉄道999に出てきそうだ。
建物に古い建材が使われていたりブリキがあちこちに使われていたり、でもお店の中は全然違う要素の雰囲気が混ぜ込まれていていったどこの国にいて、どんな時代にいるか分からなくなる。

この現代芸術の表現の中にカフェやレストラン、その他のお店がある。昼間は落ち着いた場所だが夜は夜でバーや、バンドの生演奏が聞きながら飲んだり食事をしたりする場所になっている。若者が集まる場所である。

自分が行ったのは昼間だったので全ての世代の人が来ていた。台湾らしき観光の人も来ていた。デパートなどと違い思いっきり楽しみに来ているというよりも、その空間を味わっているという人の方が多いと思えた。

乾季に入って気温もぐっと過ごしやすい気候になっていたのでぐるりと散策をして、カフェに座りのんびりしてチャンチュイをあとにした。
自分が入ったカフェはベルサイユの薔薇ですか?という勢いの濃い装飾をしているお店でした。ただ飲み物も本格的で食べものも美味しそうだったので入って少し寛いだ。
このチャンチュイの場所は少し分かりにくい所にある。地域としてはピングラオと呼ばれる場所周辺。南行きのバスターミナルやセントラルデパートのピングラオ支店から差ほど遠くない。地図で見てしまうと 遠い! となりそうだが、王宮広場から渋滞が無ければ10分強で着ける場所である。王宮広場の横のピングラオ大橋を渡って少し行った所なので決して遠くない。

とても気持ちのいい天気の為、通り道の王宮周辺で少し寄り道をしたりして家路に着いた。
上の写真のモニュメント付近は美味しい食堂が沢山あるので散歩をしながらつまみぐいにはもってこいの場所である。特におすすめはディンソー通りである。
名前が可愛いので勝手に好きな通りにしている。ディンソーとは鉛筆という意味。
昔ながらの麺のお店やタイ料理もあればお洒落なカフェやタイで一番有名な菓子パン屋もある。老舗や有名店ばかりなので試して損はしない。
乾季は他地域の冬に当たるので空色が少しだけ淡く甘い感じがする水色である。パステルカラーの色鉛筆な色なので写真を撮ったりした有意義な乾季の日曜日であった。

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